GLOCAS

キーワード

  • 日本の洋楽器・
  • 鍵盤楽器・
  • 楽器製造の産業化・
  • ピアノ・
  • オルガン・
  • シンセサイザー

問題の設定

  1. 世界の中の日本は,何をしたのか,ピアノを通して考える
  2. 洋楽器が日本でどのように浸透し,なぜ浸透したのか
  3. 鍵盤楽器産業の成立過程とグローカルな側面の解明

 ピアノおよびシンセサイザーに代表される日本の鍵盤楽器の製造は,現在,重要な輸出産業のひとつである。明治後期にオルガンとピアノ造りが外国から日本に「輸入」され,現在では電子楽器を含めて日本から外国への「輸出」産業として成立している。本研究では,これらの鍵盤楽器造りに関して史的展開を明確にするとともに,楽器造りにみられるグローカス(グローバルとローカルの融合)な側面の特徴を検証したい。
 本プロジェクトは,以下の2点を大切にして進めている。ひとつは,元々日本にはなかった鍵盤楽器の浸透過程に音楽というコンテンツそのものと教育面の重要性,いまひとつは,日本の鍵盤楽器産業が付加した側面とそれによるピアノがどのように変わったのか,以上である。本プロジェクトの担当者は,ピアノのメーカーごと,モデルごと,そして個体ごとの個性に魅力を感じており,ピアノを通じて何をしたのか,グローカルな側面から考えてみたい,これが本プロジェクトのモーティヴです。

活動報告(2021年2月6日)

「鍵盤楽器」のグローカル化を担当する近廣が,愛媛県生涯学習センターにて講演を行いました。 26ページの発表資料・特許関係の資料等を用いて, 日本のピアノメーカーと高度な産業化との関りを中心に解説しました。

【講演概要】中予コミュニティ・カレッジ(愛媛県生涯学習センター)「現代社会講座Ⅱ(経済)」

2021年2月6日(土)10:00~12:00

会 場:愛媛県生涯学習センター  

演題:産業化された日本のオルガン・ピアノづくり

担当:近廣昌志(愛媛大学法文学部准教授)

研究調査 2020

 当プロジェクトの研究協力者である田中晴美氏(近代音楽史研究所,三木楽器歴史保存室)とともに,オルガンの地方への浸透・流通プロセスについて共同調査に着手した。同氏が行う黎明期のオルガン製造の研究調査に同行させていただくなど,ピアノの浸透・流通と並行していたオルガンについても製造と流通過程を探っている。
 また,鍵盤楽器の構造に関わる日本企業が付加や変更した点等を整理し,輸入された洋楽器に対する日本企業の関りとそれによる楽器の変化について検証する準備を進めている。

研究調査 2019

 当プロジェクトの連携研究者である田中智晃氏(東京経済大学准教授)が執筆された『三木楽器史―Our Companyを目指して―』を参考に,明治後期から昭和初期にかけての洋楽器の浸透・流通プロセスを学び,特に愛媛県や中国・四国地方に鍵盤楽器がどのように浸透していったのかを探るための資料調査に取り掛かった。具体的には,三木楽器・歴史保存室に残されたピアノ販売台帳を,特別に許可を得て拝見させていただきつつ,地方都市の楽器卸商への取次状況についてデータ化を進めている。調査研究にはよくあることだが,資料の抜け等に悩まされており,当初の目標達成に有効に方策を検討している。


明治から続く老舗の楽器店,三木楽器様には貴重な歴史が存在する


昭和初期の販路拡大の軌跡を示すリベート等の資料


研究調査 2018

  1. 手造りピアノで知られる「松本ピアノ」の構造を調査するため千葉県君津市を訪れ,「松本ピアノ・オルガン保存会」の方々のご厚意により,現物を拝見することができ,また松本ピアノの経営史についてもヒアリングを行った。また君津市教育委員会のご協力を得て,松本ピアノに関する売上台帳等の資料を拝見し,部品・材料の仕入先等を明らかにすることが出来た。松本ピアノは,珍しく浜松を拠点としない工房のため,資料がもつ意義が大きい。
  2. 本年度は以下の3社のご協力得て,それぞれ大手企業に対してヒアリングさせていただいた。(A)株式会社河合楽器製作所様のご協力のもと,同社竜洋工場の生産体制についてヒアリングを行った。また,同所内の「Shigeru Kawaiピアノ研究所」にて設計・製造の改良過程についてヒアリングさせていただいた。(B)ヤマハ株式会社様「INNOVATION ROAD」館長様より,同社のテクニカルな進展について解説していただいた。(C)ローランド株式会社浜松研究所にて,鍵盤楽器のデジタル化に伴うプログラミングおよびシンセサイザーの設計についてヒアリングさせていただいた。


河合楽器製作所様の歴史を収めた書籍



国産は角鍵盤付きシンセサイザー ローランド社製SH-1000


 

以上